イタリアンやフレンチといった食の多様化により、ジビエが見直され、今では大ブームになっています! ジビエはフランス語で、狩猟によって捕獲された野生の鳥獣(鴨、イノシシ、クマ、ウサギ、シカなど)のことです。日本でも古くから食べられており、加賀藩主である前田利家公も鴨や雉、鶴などを好んで食べていたと記述も残っていますし、山奥の鳥獣が生息するところは、貴重なタンパク源として昔から食べられていました。
近年、イノシシも増加により、農業被害や倒木も拡大しています。増加を止めようと有害捕獲したイノシシは焼却や埋立処分をしていましたが、有害鳥獣を地域資源として有効活用する動きが日本各地で起きています。
石川県の「白山ふもと会」では、2012年にイノシシやクマを食肉として加工する解体場を設置し、その肉は”白山麓猪”や”いしかわジビエ”として注目されています。
鴨は好きだけど、イノシシは本当に美味しいのだろうか?! そんな思いを抱きながら、ご夫婦揃ってハンターだという『CRAFT WORKS ER』へお邪魔しました。
こちらのお店では、仕留めたイノシシやクマのお肉は美味しい料理に、そして、皮や牙、爪などはバッグやアクセサリーに姿を変え、捨てるところなくすべてを上手く活用されています。お料理は誰もが抵抗なくすんなり受け入れやすいように、パスタやカレー、サンドイッチなどの洋食メニューが中心で、一年を通して提供しています。
『ジビエロコモコ山小屋風 1,000円』は、イノシシの生ハム、イノシシのベーコン、鴨ロース、シカのスジ肉、シカ肉のデミグラスソースと、一皿でたくさんのジビエが頂けます。「白山の麓で生きる鳥獣は、綺麗な水と豊かな木の実や植物のお蔭で臭みはなく、良質な脂を持っていて甘味がある」と、奥さんの富士子さんがおっしゃる通り、獣臭さがなく、噛めば噛むほど芳醇な香りと旨味が口いっぱいに広がりました。肉質も固くなく、想像していたものとは全然違う、味や食感にビックリしました。
「ジビエは捕獲後の処理や加工が肝心で、仕留めたらすぐに冷やし処理することが、ジビエを美味しく食べる秘訣」とご主人の泉さんはいいます。
冬は脂肪が多くジューシーなお肉が楽しめ、夏は脂肪が少ない分ヘルシーでさっぱりとしたお肉が楽しめるそうです。
自然の原理で変化する肉質、夏のジビエも楽しみになってきました!!