
梅雨の晴れ間の日曜日。お寺がまるごと会場になっている市が上野で開催されていると知り、足を運びました。その名も「テラ デ マルシェ」! 久しぶりの上野、にぎわう駅周辺の大通り沿いから一本裏へ入ると、そこはとても静かなエリアです。
山門の先は、まさしくイチのにぎわい! 中庭には、ベジサンドのキッチンカーやコーヒースタンド、緋毛氈が掛かった縁台、お抹茶と和菓子セットも。お抹茶を点てていた方が剃髪されていたので「もしや?」とお声かけすると、宋雲院の息子さん(副住職)でした。お客さんを待つ間、かぎ針で麻ひもを編んでボトルカバーを作られていました。カバーをすれば、お気に入りのガラス瓶がちょっと欠けても使い続けられるという、素敵なアイデアです。こうした作品作りをしている副住職と一緒に各所の手作り市に参加をしていたアクセサリー作家の斉藤さんがタッグを組み、お寺が場所を提供し、斉藤さんが主催者となって、2012年9月「テラ デ マルシェ」を立ち上げられました。
普段は檀家さんが集まる畳の広間に、手作りの装飾品や国内外からセレクトした雑貨類、パン、焼き菓子など、たくさんの出店者さんが商品を並べています。売る方も買う方もみんな畳に座ってのんびりムード。ジャンルがあまりかぶらないように配慮しながらも、基本的には一緒に盛り上げてくれるような方に出店のお声掛けをしているとか。また、赤ちゃんからお年寄りまでお迎えできるよう、ソファのある休憩所や授乳室を準備するなどの気遣いも垣間見られます。階段の前では、クイック整体が! ガチガチに固まった身体をほぐしてもらいたかったけれど、既にたくさん順番待ち中。お寺で整体、すごく効きそう(笑)次回はぜひ!
「出店手続きや移動が大変だったので、自分で開催したら楽になるかしら? なんて思ったら、とんでもないですね。作品作りの時間を割いてマルシェ準備に奔走しているという、本末転倒っぷりです(笑)」(主催・斉藤さん談)出店者との打ち合わせや告知など、主催者は本当に大変! 自分が楽しむ余裕もないほど忙しいけれど、終わるとすぐに「またやりたい!」って思ってしまうのがイチ・マジックなんですよね。主催している人が楽しんでいるイチは絶対楽しい、これは私の実感する「イチの法則」でもあります。
昔のように誰もが気軽にお寺に集まることが少なくなった時代だからこそ、「イベントがきっかけであれ、世代を問わずお寺に親しんでもらえることはありがたいこと」だとおっしゃっていました。畳やお線香の香り漂う空間は、何だかとても癒やされます。このなんともいえないのんびり感、人気が高まってもぜひ残して欲しいと思いました。夏には夜市、秋には土日2日間の開催もトライしてみるそうです。試行錯誤しながらも前進中のテラデマルシェ、またぜひ伺います!
山門前で出店されていた、さくら園芸さん。多彩な鉢植えに混じって、なにやらぶら下がるものが……「これ、なんですか?」と聞いてみると、小さな鉢にひっかけて、S字フックで窓辺などにぶら下げることができるという優れもの。ハンギングバスケットというのはよく聞くけれど、場所もとるしデザインも今ひとつだと思っていた私。窓越しの光がちょうどいい観葉植物やキッチンハーブにも最適で、お気に入りの鉢のままぶら下げられるのはうれしい。麻ひもを手編みしたオリジナル品。不安定なのかと思いきや、麻ひものゴツゴツ感がしっかり鉢をキャチしてくれます。私のような「にわかベランダー(ベランダで植物を育てる人)」にもぴったり! 800円