つかの間のマルシェ環状8号線の玉川田園調布交差点近くにあるカフェ「えんがわinn」は、いつ訪れても時間がゆっくり流れているような居心地の良さを感じます。創業40年以上の人気デリカテッセン「PATE屋」と同じ敷地内にあり、近隣住民はもちろん、両店を楽しむために遠方から訪れるファンも多いようです。

その庭先で、「つかの間のマルシェ」と名付けられたイチが開かれるようになったのは約1年前。毎月第4土曜日に、季節の恵みを楽しむ食材や道具が並びます。千葉産の無農薬野菜をはじめ、信州産のフルーツや季節の手づくり名産品、酒粕酵母で作ったパンやパウンドケーキ、週末陶芸家の普段使いの器、参加農園の野菜を使った月替わりの特製スープなど、つかの間のマルシェおいしいもん好きにはたまらないラインナップ。現在の参加メンバーは全員女性で、みんなで協力しながら運営されているアットホームなイチなのです。

東京にも大雪が降った翌週、久しぶりの快晴となった2月第4土曜日のマルシェを訪ねました。入口近くに山積みになっていたのは、ツヤツヤのふじりんご。ご実家が長野というご縁から集められたのは、信州への郷土愛にあふれた品々です。試食すると、みずみずしさと甘みが口いっぱいに広がりました。もちろんまとめてお買い上げ。秋にはたくさんの種類のリンゴが並ぶそうなので、今から食べ比べが楽しみです。

つかの間のマルシェ奥のスペースには、それぞれ千葉で就農している、おいこファームとひょっこり農場からやってきた旬の野菜がたくさん!共に、女性ひとりで農業をされているそうで、ていねいな仕事ぶりがそれぞれの野菜から伝わってきます。キャベツやさつまいもなどお馴染みの野菜はもちろん、コールラビやカーボロネロなど、ちょっと珍しい葉物も並んでいました。野菜の特徴やどんな料理に最適かなど、作り手と直接お話しをしながら買えるのはやっぱり楽しいです。全種類買いたくなるところでしたが、今回はサラダと煮込みに合うものをいくつか購入させてもらいました。

つかの間のマルシェマルシェで販売される野菜を使った特製スープも人気です。レシピを手がけているのは、主催メンバーでもある料理研究家の上野万梨子さん。以前、上野さんのアトリエ前で小さなイチを開いたことが「つかの間のマルシェ」誕生のきっかけだったそうです。2月は、ちぢみほうれん草と洋梨のスープ。ほんのりした甘さの中に、旨味とコクがしっかりあって、なんともおいしい!庭先でほっこりと温まらせてもらいました。スープはレシピ付きで1杯300円。マルシェで素材の野菜を買って、家でもスープを再現できるなんてステキなアイデアです。また、当日に限り「えんがわinn」でも同じ特製スープ付きのランチメニューを提供。カフェの庭が会場という特色を生かして、素材と料理が密に関わる、ここでしかできないマルシェを作っていきたいと考えているそうです。次回はぜひカフェでもランチ&スープもいただいてみようと思います。

次の開催は3月の第4土曜日。もっともっと春らしい野菜に彩られたマルシェになるでしょうね。自由が丘や田園調布にも寄り道できるので、早春のお散歩ルートに加えてみてはいかがですか?


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イチinfo

つかの間のマルシェ

開催予定
毎月第4土曜日 10:00~16:00
会場
東京都世田谷区玉川田園調布2-12-6
えんがわinn 庭先にて
アクセス
東急東横線・田園調布駅、自由が丘駅から徒歩約10分
東急目黒線・奥沢駅から徒歩約10分
URL
https://www.facebook.com/tukanoma

信州のえごま

日本の寒冷地では胡麻が育たないため、昔からその代用品として珍重されてきた「えごま」。地方によっては、食べると10年長生きができるという言い伝えから「じゅうねん」とも呼ばれているそうです。シソ科の植物ですが、種子を炒って擦って、下ごしらえは胡麻と同じ。信州の「餅のえごま和え」を試食させてもらうと、本当に胡麻に似た味わいながら、本家ほど主張しすぎないので、料理にも応用力ありと感じて購入。早速、夜のメニューに「菜の花のえごま和え」を追加しました。そうそう、炒り加減はほどほどに。数粒弾けるくらいでいいようです。実は一度、タイミングを逃して焦がしてしまったのでした。自分でやってみるって大事! 200g 500円