大原ふれあい朝市生まれ故郷の京都。法事での帰省に合わせ、早朝入りのスケジュールを組んで、京のイチめぐりを計画しました。市街地から山へと向かうように北へ。窓を開けて車を走らせていると、ある瞬間にふっと空気が変わるところがあります。ひんやり、そしてきりりと引き締まるような空気感。比叡山の麓で、『平家物語』ゆかりの地でもある洛北・大原地区は、古くからこの朝晩の寒暖差によっておいしい野菜が作れるといわれてきました。大原は、昔、炭や薪を頭に乗せて行商をする「大原女(おはらめ)」が生まれた土地。ここで毎週日曜日の早朝から開かれている朝市「大原ふれあい朝市」を訪ねました。

大原ふれあい朝市「大原の里の良さは農地によってもたらされるものです。この良さを守るためには、農業を活性化させる必要があると思い、定年帰農の仲間が大原農業クラブを作り、新鮮な地場産野菜を売る『大原ふれあい朝市』をはじめました」(主催者)
大原「里の駅」の駐車場の一角で開催されている朝市には、大原近郊で農業や店舗を営む方々20~25軒が出店しています。平成11年6月からスタートし、4年前に現在の場所に移転して開催されているそうです。

大原ふれあい朝市新鮮野菜は、新規就農の若手からベテランまで、さまざまな店が軒を連ねます。その他にも、漬け物、ぼたもち、珈琲に総菜パンなど、どこか懐かしい味も満載です。屋台では「しば漬け入りたこ焼き」を発見!ネギ焼きや鯖寿司など、京都ならではの品々もたくさんありました。また、店頭で網焼きを提供する鮮魚店や、地元で野菜料理店を営みながら、朝市では自ら育てた野菜を販売している店主など、出店者もバラエティ豊か。数は多くありませんが、にぎやかでとても充実していると感じます。

大原ふれあい朝市朝ごはんには、うどんをいただくことに。出汁をたっぷり含んだ分厚い「お揚げさん」をトッピング。あつあつの京うどんは、急に冷え込んだ朝の身体に染み入りました。テーブルを共にするお客さん同士でも「寒なったねえ。でもこれから野菜がもっとおいしくなるから、朝市来るのが楽しみやわ」と会話も弾みます。とにかく「おっちゃん、おばちゃん」との会話が楽しい。食べながらしゃべりながら、ゆったりのんびり過ごせました。

山越えをすると琵琶湖に通じることもあり、朝早くからバイクや自転車でツーリングする人たちが立ち寄る姿も多く見られました。旅先の朝市はさらにワクワクが増して楽しいものです。地元の方とのふれあうなかで、穴場情報がゲットできるかもしれませんよ。三千院や寂光院など、名所旧跡も多い大原。行楽の秋に京都を訪れる方は、ぜひ朝市にも立ち寄ってみてください!


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イチinfo

大原ふれあい朝市

開催予定
毎週日曜日 6:00~9:00(年始休みあり)
会場
「里の駅 大原」敷地内
京都市左京区大原野村町1012
アクセス
バス:京都駅前、四条河原町、出町柳、国際会館前などから京都バスの「大原」行きに乗車。「野村別れ」下車 徒歩約5分
車:京都東ICから約40分。国道367号線を大原方面へ。JA京都中央大原支店斜め向かい(駐車場あり)
URL
http://www.satonoeki-ohara.com

大原の地玉

大原地どりのさばきたての肉や、産みたて卵、大きなぼたもちや草餅など、作りたての品々が並ぶ「はんじ」。こちらは、朝市会場のすぐ近くで、たまごかけご飯などを食べられるお店もやっています。冬期は、ぼたん肉(猪)、もみじ肉(鹿)も取り扱っている、里山らしいお店。同日は終日外出のため、地どり肉の購入を断念しましたが、あとで「クール便で送ればよかった」と後悔したほど、つややかで見るからにおいしそうでした。こちらで大原地玉(有精卵)を購入。翌朝、新米で卵かけごはんに。殻がしっかり堅く、黄身も弾力があって鮮やか。これまた、大量買いしなかったことを後悔したほどおいしかった!でも、この「ああ、また食べたい!」が、また私を朝市へと向かわせるのです。価格:500円(5個入り)