第八話 金沢の庭づくりはじまる

西村さん、ようこそ金沢へ!三重からの長旅お疲れ様でした。
庭づくりが始まるのを楽しみにしていました。
幸い今日はよいお天気に恵まれて、最高の日和です。
よろしくお願いします。

金沢の庭作りはじまる
 
 私も金沢で庭をつくるのを楽しみにしていました! では、今から作業に取り掛かかります。よろしくお願いします!
 

こちらこそ、よろしくお願いいたします。
まず土をつくっていくのですね。

 はい。まずは土を耕して状態を確認します。
 水はけも良さそうで安心しました。

金沢の庭作りはじまる

そうでしたか! 良かったです! まずは掘り進めていくわけですね。地面の中から石がいろいろ出てきましたが、この石は使うことができるのでしょうか。

 耕していたら、こぶし大の石が沢山出てきましたね。是非使いましょう。作業しながら使う場所を考えておきます。
 

そして持って来ていただいたステキな石がたくさんあるのですが、この石はなんという石になりますか?

 私が持ってきた石は菰野石と言いまして三重県の菰野町で多く採れる花崗岩です。
 一昔前はこの石を使い土留めであったり駐車場に敷かれていたりしました。
 今回は、飛び石として使います。

金沢の庭作りはじまる

けっこう深く掘るのですね。知らなかったです。

 庭が小さければ小さい程、石とのバランスが難しいのでイメージする飛び石を一度集め、私の資材置き場で庭の実寸を作り配置してバランスを確認していき、飛び石は20~35cm程度のものを用意しました。
 踏む面に対して同じくらいの寸法を埋め込むことで踏んだ時に心地よい安定感が生まれます。
 

そうなんですか!実寸で試してくださったのですね。
確かに見た感じも安定感があります。石がまず庭の基本的な導線の基本になるのでしょうか。

 はい。部屋のサッシと大和塀の扉が綺麗に繋がる事を意識して動線を作って行きます。
 この坪庭はどちらかと言うと実用的に使うというより室内から主に見る事が多く、庭に出る時は掃除や私たちがメンテナンスをする時くらいだと思いますので鑑賞されることを基本に実用性も意識した飛び石で動線を作りました。庭の使用用途や室内の滞在時間、施主の年齢や趣味嗜好によって動線や飛び石の形状は細かく変わってきますがその前に施主との会話のやり取りが基となって庭の動線が出来て行きます。

金沢の庭作りはじまる

よく私のお話しを聞いてくださって考えてくださったのですね。嬉しいです。
おっしゃる通り、室内から食事の時や読書の時、何かを制作するときに庭を眺めることができるのは夢のようです。このあともどうぞよろしくお願いします。