店主入魂の珈琲と美意識が集まった空間が、感性の振り子に響くcafe&art space 1 1/2 イチトニブンノイチ

外観

陶芸の町、そして職人の町、益子。
繁華街から少し離れた小道に、一軒のカフェがある。
夕暮れの空によく似合うブルーの扉。
開け放たれた扉の向こうから、香ばしい豆の香りがしてくる。


珈琲を一口飲んで、驚いた。口に運んだ時の絶妙な温度。
舌の上でとろんっとまろやかな旨味が広がる、苦くて甘い複雑な味。
大げさではなく、感動の一杯だ。


内観

店内はまるでアトリエのような空間。
「この店にあるものはすべて私が美しいと感じたものです。
とても貴重なものもあれば、他人から見たらガラクタに見えるものもありますけれど・・・」
大きな壁に飾られているのは、絵描きでもある櫻岡さんの作品だ。
アフリカのオブジェから拾った鋏まで、幅広いジャンルのものが並ぶ。


「サロンのような場所でありたいんです。真剣に生きている人々が出会い、刺激し合う場所。その接着剤として珈琲を淹れています。旅の話、空の話、宇宙の話なんかしながら飲む珈琲はとても有意義で美味しいんです」


時間ができると全国のカフェに足を運び、研究(出会い)を怠らない。
旨い珈琲に出会うと嬉しくなる、なぜ?と自問自答し、答えを導きだす。
その日の温度・湿度に合わせ、毎日、豆を煎る。
豆の量、注ぐお湯の速度を考慮しながら、一滴一滴に心を込める。
生豆の選別、焙煎、抽出、決して妥協しない。



櫻岡さんの発する言葉に「熱」を感じるのは、
何事にも情熱を持って向き合い、
感動する心を持っているからだろう。


取材をしていくうちに、この空間は櫻岡さんの
『心の中』そのものなのだと気がつく。
お客さんは心の中に入って、今まで培ってきた経験や
思いを共有する。 そして、珈琲を飲み、文化に触れる。


「心を動かす珈琲」。これが、櫻岡さんの目指すスタイルだ。
飲み物は、飲み干してしまえば形がなくなってしまうけれど、
愛をもってつくられた場合、心にしみ込んで何かを残す。


まずは一度この店に行って、
愛と情熱が凝縮された一杯を飲んでほしい。

櫻岡さんの作品

cafe&art space 1 1/2 イチトニブンノイチ

 〒321-4217 栃木県芳賀郡益子町3435-1 陶芸村内
 TEL 0285-72-6123
 OPEN:11:30~21:00
 CLOSE:金曜日
 http://avantgalde1-1-2.jimdo.com/


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My Favorite
  • アフリカのホロホロ鳥の彫刻
  • 野点の茶道具箱
  • 仏手と木魚と瀬戸の豆皿