竹の菓子切
「茶の湯や和菓子の世界では、黒文字(菓子ようじ)としてお馴染みの菓子切りですが、それらは使い捨ての存在で、活躍の機会が多いわりに軽く扱われがちなのが残念です」 と、竹工家の初田徹さん。「竹には一本一本、一節ごとに個性があります。それは制作の難所ともなりますが、同時に自然だけがもつ魅力でもあります。素材との対話をていねいに繰り返しながら、少しずつ削り出していきます。彼らの個性を残しつつも、均質な使い心地に削ることが出来れば、まず成功」。
煤竹の落ち着いた古色ある艶、黒竹やしみ竹の表皮にあらわれる自然の景色はなんとも美しいもの。器や口あたりのやさしい竹の菓子切りは、茶席にふさわしいのはもちろんのこと、日々の暮らしにも彩りを添えてくれそうです。
黒竹の菓子切(写真上)/ 煤竹の菓子切(写真下) 「ささのは」