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いまはやりのナチュラルショップ、自然栽培野菜や米を売る「土ものがたり」。お店の外壁を、石油樹脂を使用しないセメントと砂利の人造石造りで仕上げ、テラス状のポケットを壁面にめぐらして土を入れ植物を植えて壁面を緑化。内部は床の玉砂利の洗い出し、壁天井と土で塗りぐるみ、自然素材で食・住の安心安全をアピールしている。こちらの壁を手がけたのは小沼充さん。内装を手掛けたのは、美術家木村謙一さんだ。

床は人造石洗い出し仕上げ

壁面緑化したお店の外観 。人造石塗り(リシンカキオトシ)でテラス状のポケットを造り植物を植える

小林澄夫さんに聞く

Q カキオトシの良さとはどんなところですか?
リシンカキオトシや洗い出し仕上げは自然の砕石や色砂利を素材にセメントで仕上げたもので、経年変化がなく古びるほど落ち着いた味わいのある壁になっていくんですね。飽きがなく塗料のようなメンテを必要としないのがいいとろです。
Q 使用する道具は?
カキオトシの道具はお花の剣山に似た釘を立てた針の山のようなもので、カキオトシ器として市販されていますね。
Q カキオトシで表現できる色には、どのようなものがあるんですか?
カキオトシの色は、無機顔料をセメントに配合したのもので、原色以外は好みの色が出せます。洗い出しや研ぎ出しの場合は自然の砕石や砂利の色に限られますが、組み合せ次第で配色は自由です。

■人造石塗り仕上げとは
リシンカキオトシ仕上げ、人造石洗い出し仕上げ、人造石研ぎ出し仕上げは明治以降にヨーロッパから入ってきた洋風左官仕上げで、天然の砕石や色砂利を骨材にしたセメント仕上げ。その塗り面を掻き落としたり、洗い出したり、砥ぎ出したりして石造の表現をなすもの。銀行やデパートなどのコンクリート建築にはじまり、町中の看板建築、モルタル防火建築、田舎の塀等にみられた。

人造石塗り仕上げ

[左]農家の人造石洗い出しの塀(徳島阿波国分寺近郊) [右]洗い出しのデザインと表情(砂利はみかげ砕石と蛇紋砕石)

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