和傘

和傘

 

傘は中国より平安時代前後に伝来し、もともとは身分の高い人が日除けや魔除け、権威の象徴として作られた、閉じることのできない天蓋や覆いのようなものでした。閉じることが出来るようになったのは安土桃山時代、さらにそれまで使われていた菅笠や蓑と同じく雨具として番傘が庶民に伝わったのは江戸中期以降のこと。夕立時に傘をすぼめて歩く町人の姿が浮世絵に残されたり、美人画にも描かれるなど広く浸透していきました。明治期以降は茶道や能、歌舞伎などの伝統文化芸能、舞妓さん達が愛用する蛇の目傘や和装の花嫁姿に添える舞傘など、和文化を華やかに彩る伝統工芸品として欠かせない存在になりました。

江戸時代後期創業の「日吉屋」では、京都の伝統文化を支える存在として茶の湯や伝統芸能に携わる人々の高い美意識に適う「京和傘」を作りつづけるとともに、海外経験や市役所勤務などもされてきた五代目の現当主西堀耕太郎さんの新しい視点のもと、日常使いしやすい和傘やランプシェード、キッチン用品など、伝統の技を生かした商品を開発しています。京都本店一階のショールームではこれら伝統の和傘から、照明など新製品まで手に取って眺めることができます。

二階の作業場では、職人さん達が岐阜産のロクロと骨、越前や五箇山、美濃産の和紙など最高級の素材を用いて糸で一本一本つなぐ組立てから、胴張り、糊付け、油引き、かがり糸での飾りなど仕上げ、また修繕、部品の加工や特注品の製造などを行っています。一連の作業を一人で行うため幅広い研鑽が必要。昔の資料や実物を研究したりお客様のニーズに合わせて新しい試みに挑戦したりと、苦労も多いけれど面白い世界が広がっています。と入社間もないデザイン・開発部の田中元彦さんが楽しそうに語る姿に、伝統工芸の新しい可能性を感じます。

 

和傘

 

株式会社日吉屋 京都本店
〒602-0072 京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町546
TEL:075-441-6644 / FAX:075-441-6645
営業:10:00~17:00
店休日:土・日・年末年始 *土曜日のご来店は事前のご予約にて承ります。ご来店の三日前までにお電話にてご連絡ください。
HP:http://www.wagasa.com/

 

張り子

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西陣絣

西陣絣

金沢桐工芸

金沢桐工芸

黒谷和紙

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