タイ編 その七

チェンマイ在住の陽子さんは、石川県生まれ。学生運動の盛んな70年代に京都では知る人ぞ知る喫茶店に務めているときにアメリカ人の旦那さんと知り合い、リタイア後にタイはチェンマイに移住。広いコンドミニアムでチェンマイライフを満喫してました。一年に一度はふるさとの石川県加賀市に戻り、この先いつでも戻れるようにそちらの家を改装しつつ、タイと日本を行ったり来たりしている生活をされています。

陽子さんは街中のショップを案内してくれるということで、わくわくしながら、街に繰り出すことに。

花市場の方に向かった私たち。市場はカラフルなお土産物が所狭しと積み上げられていました。その中でも目を惹いた、バケツの中にお魚の稚魚と竹で編んだと思しき籠の中に、ムクドリを入れて店先にならべている方がいて、何だろうとおもっていたら、陽子さんが、「あれはね、タイには寺院が多いでしょ、鳥や魚を買って魚は川に、鳥は空に返してあげれば命を救ったということで徳を積んだことになるんだって。」と。おとなりでおばさまが作っている花も、寺院に捧げるため。タイの人びとの信心深さが伺えます。

フォーのお店ではたくさんの野菜をトッピングできる。

町の中をうろうろしながら、いろんなお店に立ち寄りました。金物屋さんでは、かわいいグッズがたくさん。特にほうろうの重ねるお弁当箱や、小さな小瓶、木製のおしゃもじなど、どれもこれも買いたくなり目移りしてしまいます。きょろきょろしながら市場内にあるフォーの屋台で美味しいスープ麵をいただき、さらに鶏もも肉を一本焼いたチキンのお店でお肉にかぶりつきご満悦な私たちなのでした。

そこかしこに寺院があって厳かな空気が流れています。寺院はきらびやかな金箔に被われているのがタイ。小乗仏教ではそれぞれが修行によって悟りを得ていくことが求められています。タイのどこにいても仏様がいつも私たちの言動を見てくださっているようです。

この仏像は金箔があと少し足りないのでしょうか。寺院の入り口、寄付を求める場所にお立ちになっていました。奥にある目が「お前はどこからきた、何をしてきた」と戒めるように私を見ていました。

次回は不思議な織物作家のアトリエをご案内いたします。お楽しみに。