石川県編 その九

金沢市に新しくできた石川県立図書館に行ってきました。愛称は「百万石ビブリオバウム」とか。着工から3年、この夏7月16日にオープン以来、大勢の県民が訪れるスポットとなりました。本を読む、借りる、調べる、という従来の図書館の機能に加え、イベントスペースや企画展示など、「人、モノ、情報」が集う、素敵なスペースになっています。

まず、中に入って驚くのは、4階までの円状の造りです。エスカレーターで上がれる吹き抜けの周辺にはびっしりと書架が並び、手に取れる本の数はなんと30万冊。12のテーマが設定されています。①子どもを育てる ②仕事を考える ③暮らしを広げる ④文学にふれる ⑤自分を表現する ⑥身体を動かす ⑦好奇心を抱く ⑧世界に飛び出す ⑨日本を知る ⑩生き方に学ぶ ⑪本の歴史を巡る ⑫里の恵み・文化の香り~石川コレクション 目を惹く本の表紙がずらり。興味がなくとも思わず手を伸ばしたくなるから不思議。

さまざまなイベントも開催され、140人が収容できる段々になった席のある、「だんだん広場」ではオーケストラアンサンブル金沢の弦楽カルテットのミニライブが開催されていました。

閲覧席がそこかしこにあって、バリエーションに富んでいます。吹き抜けを見渡せる席、外の風景が見える席、友人と座れる席、大きなソファでくつろげる席など、座っている自分が何だかカッコよく見えてしまう。
色使いもシャレていて 何か受け入れてもらえる暖かさがあるのですね。

開館特別展「絵本でたどる、ながいながい進化のはなし」では絵本で描かれる生物の誕生までの地球のこと、進化のことを大型のパネルで見せています。男の子が目を輝かせて恐竜 ディノニクスの骨格標本を眺めている横で、 お父さんも、少年に戻ったように アンモナイトや三葉虫の化石に見入っていました。

そのほか映画の上映会や親子スイーツ教室、貝殻クラフトづくりなど、楽しそうなイベントがいっぱい用意されており、これはもう図書館というより文化体験広場。何度も通いたくなる楽園が、またひとつ生まれました。