
写真と文章
カメラのフォーカスのひと・前田奈緒美(長崎市片淵在住)
長崎駅は 西の終着駅。幼少の頃から 行き止まりのホームを見て育ちました。ある時 他の町の駅は ホームが行き止まりでないことに気が付く。「レールが続いていく」ことに 今も不思議な感覚を持っている。『かもめ』という名の博多行き特急列車が もう何年かしたら新幹線に交代するようなので 博多のその先 東京や もしかしたら北海道へも ひとつの電車で繋がって行く可能性がある。気が付くとどこかの線路が行き止まるホームにたどり着くこともあるだろう。日本は南北に長くて 端から端まで行くと 天気も季節さえも変わる。降り立つ町のことを想像する時間も含めて 旅は始まっている。線路が途切れる終着駅長崎のホームにて
「え?行き止まり?線路の先にビルがそびえているのを初めて見たよ。」と驚いた友人がいた。レールは そこでぷつりと終わる。レールの先が空へと続き ぷつりと宙に途切れていた銀河鉄道を思い わたしの旅は始まるのだ。日常もまた旅の途中。そして今日も終着駅で 新しい物語が生まれているのです。