雑誌「チルチンびと」66号掲載 人を生かし、風土を生かす家づくり 広島編

地域型宮大工工務店の 伝統技術を継承したい

地域の建築文化を担ってきたのは、社寺もつくりながら 住宅も手がける坂田工務店のような地域型宮大工工務店だ。 伝統技術の継承と地域雇用の鍵は、 このタイプの工務店の再生にある。 坂田工務店の本社のある安芸高田市は、広島県北部の山間部にある、人口3万1497人(2010年当時)の市。毛利元就が生涯居城とした郡山城跡や、スサノオノミコトを祭神とし、戦国時代は毛利氏の祈願所だった清神社のある、歴史と文化のまちだ。  地理的にも、瀬戸内海と日本海の分水嶺で、広島側の太田川は一級河川、中流域は環境省の名水百選に選ばれている。島根県江津市を河口とする江の川は「中国太郎」の異名をとる中国地方最大の川だ。  この歴史と情報が集まる地理的条件が、住民を建築の目利きにし、安芸高田市の大工技術の高さの背景となっている。

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