広島県 人を生かし、風土を生かす家づくり 雑誌「チルチンびと」66号掲載
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と話しながら、「宮大工はこれくらいは鑿と鉋を使うんだよ」と、びっくりする数を並て見せてくれた。  安宗さんの隣で「最初に、垂木割りという木割りで、割りが決まるんだと教わりました」と、にこやかに話し出したのは、坂田昭三会長だ。 会長は、昭和3年生まれの82歳。広島で被爆し、その翌年から初代社長である父親の下で修業を始めた。「親父には『素性の悪い木は何年経っても動く。だから宮大工は、素性のいい木を見つけた時にすぐに買うんだ』とも教えられました」と話す。今でも、高価な木を買うときは、市場へ目利きと値踏みに赴いているそうだ。 世の中は変わるものだから  坂田会長は「世の中はいつか変わるものだから、新しいことにチャレンジすることが必要です。モデルハウスの図面も見せてもらいましたが、現場には顔を出しませんでした。できあがりを見たら、イメージよりはるかによかった」と、にっこり。 「今までは、地域のお客さんの紹介でやってきました。技術を評価され、

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