地域から文化の発信をチルチンびとマーケット
全国の『チルチンびと「地域主義工務店」の会』の会員社が、各地域の店や作家、ギャラリーなどと協力し、マーケットを開催。地域の活性化にもなる催しの様子をレポートします。
「え、外でピザを焼いてるの？」。香ばしいにおいに誘われるかのように、新緑に彩られた木の家に次々と人が入っていく。４月24日、愛媛県松山市・西渕工務店モデルルーム「和みの家」にて、「チルチンびとマーケット」が開催された。木と土壁でできたモデルルームを訪れたのはおよそ400人超。食に工芸、インテリアに庭づくりと、暮らしにまつわるものを扱う愛媛の12店舗が出店した。
「松山で人気のお店はもちろん、新居浜や八幡浜のショップも。絶対こようと思っていました」とは、来訪者の一人。「この会場のような木の家って、自分が好きなナチュラルな生活雑貨に合う。家づくりの参考にしたいですね」とも語る。
ぬくもりあるモデルルームは、出展者にも好評だ。「よそのイベントでは会場が寒々しく思えることもありますが、こうした木の家と、自分のつくるものがしっくり映える。具体的に、自分の作品が住まいの中でどのように映えるか、見てもらえるのもいいですね」。
人と人が出会い、物と物が集う。
「暮らし」をキーワードに小さな輪が広がっていく。
西渕工務店は、木鑞と伝統的な町並みで名高い内子町に拠点を置く。自然素材や木の扱いはもちろん左官仕事でも高い技術を誇るが、こうした職人技を生かしながら、大壁を主体とした若々しい和モダンの家づくりにも取り組んでいる。
社長の西渕菊寿さんに今回のイベント運営を一任されたのは、娘で広報担当の西渕真実さん。若い女性の感性をもって、生活雑貨や食など、自分が欲しいもの、一緒に暮らしたいものをセレクトし、来場者の共感を呼んだ。出展者の一人は「カルチャーセンターでイベントをするときに比べて、来場者がおしゃれ。生活感度が高そうな人たちばかりで、逆に刺激をもらえます」とも。
「会場となったモデルルームを通じて、西渕の木の家づくりを知ってもらうのはもちろん嬉しいことです」と言う西渕真実さん。 「ただそれだけではなく、こうしたイベントがものづくりをする人たちの輪をつくるきっかけとなり、来てくれた人たちが笑顔で帰ってくださる。人と人をつなぐ場づくりも、これからの地域工務店の役割だと思うんです」と語ってくれた。
出展者
GIV / GRAYS（ギヴ アンド グレイズ） 愛媛県松山市千舟町4-6-3
旬の素材を使った手づくりケーキとコーヒーのお店。
ArlingtonRow（アーリントンロウ） 愛媛県松山市姫原2-2-10
日本やフランスの古道具を扱う。木のぬくもりと調和する家具、リネン、タイルなども。
GOOD MORNING FARM
愛媛・内子で育てた野菜・果物を使用した、手づくりジャム・ピクルス・オイル漬けなど。
惣菜工房 やの家 愛媛県松山市北立花町101-4
体にやさしいお惣菜。スパイスの効いたグリーンカレーは大人気。
Eureka（ユリイカ）
木の時計、家や塔をモチーフにした一輪挿し、地元材を使った木の器など。
Formaaki（フォルマーキ） 愛媛県松山市鴨川2-2-19-2F
北欧と日本の暮らしの道具。洋服や小物、北欧ヴィンテージ食器・雑貨を扱う。
仙波農園 愛媛県松山市北久米町32
京都の伝統ある庭を自然なテイストで現代に。この日は庭づくりの相談会を行った。
iroha candle（イロハ キャンドル）
自然の素材を生かした、美しい手づくりキャンドルを八幡浜から発信。この日は子どもたちに向けて、キャンドルづくりのワークショップも。
Roll Crepe Coffee 愛媛県八幡浜市矢野町4丁目
八幡浜市内、三代続く青果店内で営業。新鮮な果物・野菜を使ったクレープが人気。
Pizzeria 39 愛媛県伊予郡砥部町重光147-1
砥部町の本格派ピザ店。イベントでは特別に薪ストーブでピザを提供。焼きたてのピザに大勢が舌鼓を打った。
soeur（スール） 愛媛県新居浜市土橋1-9-11
おいしいものと雑貨が大好きな店主が営む新居浜の雑貨店。
sun and snow
北欧で染織を学び、プリントや縫製まですべてを手作業で制作する、松山のテキスタイル作家。
