私はたまたま友人と銀座をウロウロしてました。通りすがりのギャラリーで展覧会が開かれていました。表のショーウィンドウに飾られていた絵の色合いがとても好みだったので、友人と入って見ようか、な感じで気軽にギャラリーに入りました。

綺麗な色の作品たちに私達は圧倒されました。しばらくすると強烈なファッションのおじいさいんが目に入りました。玉虫色に光った帽子、色レンズのメガネ、白いスパッツ。多色使いのフワフワモヘアのセーター。

当時私はセツモードセミナーも、先生のことも知りませんでした。そのおじいさんがとても優しい笑顔だったのが印象に残ってます。

のちに私はその友達とセツの学校のくじ引きをしに行きました。くじ引きのときに階段にいた先生をみてびっくりしました。
　アノ時のおじいさんだ！！
　まさかっ！ここの校長先生だったのか！！！

セツは私の人生のかけがえのない時間になりました。夜間に通いましたがいろんな人種がいて楽しかったですね。

デッサンしてるときにセツ先生の隣で描くとワクワクしました。先生のスルスルとした鉛筆が画用紙を走り抜けていきます。描くのがとても速くピシッと画面に収まった絵を見るとトキメキました。

先生は私が話すと
　「お前の顔は口が猫みたいだね口角がホラ、グイ〜ンと上がって猫みたいだよ。声はドラ猫だねぇ」と余計な一言を言って笑ってました。
　私は『えええ〜！イヤですよ〜！』とドラ猫のような声で答えましたね。
　今となっては楽しい思い出です。

現在の自分の絵はまぎれもなくセツで体験したトキメキが影響されてます。