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何気ない日常

絵:篠原善次郎(絵描き)
1982年~1990年在籍
文:篠原市子(専業主婦)
1988年〜1993年在籍

今から30年前、夫が銀座のギャラリーで初めて水彩画展をしたとき、セツ先生と星先生が観に来てくださいました。その場に先生がいることを知らずに「長沢節に似てるね」と話しているお客さんがいました。その後、セツ先生に学校でお会いしたとき「おまえ、長沢節なんて知らないと言え!」と言われたそうです。絵画としては模倣と捉えられる可能性があるので気遣ってくださったのだと思います。

あれから何度か個展をしてきましたが、経歴にセツモードセミナー卒業と入れるとギャラリー のオーナーから「セツ モード セミナーってイラストとかファッションの学校なんじゃないの?」と言われることがありました。セツ先生が大原漁港やヨーロッパで生徒たちと描いたり、文藝春秋画廊で風景画の個展をしていたことは意外と知られていないようなのです。もっと広く一般の人に風景画家の長沢節先生も知ってもらえたら嬉しいです。
   また最近では、個展開催中に「私もセツ モード セミナーの卒業生なんですよ!」と懐かしそうに声をかけていただくこともあるようで、セツの卒業生は通じ合う思いがあるんだなと感じています。

描き始めてもうすぐ40年。
   夫の個展の準備で、家の床一面に絵を並べる。
   2人で作品を選定するとき、私はセツ先生だったらどれをA!と指すのかな?と考えながら選びます。普段の生活の中で、例えば子育てしているとき、夫の絵を選んでいるときにセツ先生だったら…とつい考えてしまう私。

今でも描くときに夫が1番大切にしていることは、セツ先生に教えていただいた、風景でも花でも対象物をよく見て描くということです。これからも、セツ先生がよくおっしゃっていたように、風景との対話を続けて行くのでしょう。

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  1. 星信郎 より:

    善ちゃん は、誰よりもよく学び、よく遊ぶ人。遊ぶといっても世間一般から言ったらカワイイもんでしようが、いつもにこにこ顔で、お酒と冗談で暮らしているようなそぶり。セツの海外旅行のときも善ちゃんは地中海に釣り糸を垂らしていたね、わざわざ日本から釣竿もってくるヤツなんてめったにいないと思ったよ。
    そんな善ちゃんが野外写生で絵筆をもったらスゴイ! がらりと人がかわって稲妻のような描きさばきをする、なるほど、あれがセツ流か。 セツ先生の「自然に学びなさい」の教えを守ってる者なんて何人いるだろうか? 善ちゃんはエライ、と思います。

    市子さんの娘さんにも山形の旅行で一度お会いしてます。あの方も、セツ先生がいなかったらこの世に存在しなかった訳ですね。とても不思議に思います。ホシ

  2. 篠原善次郎 より:

    星先生様
    コメントありがとうございます。あの頃は描いた作品を授業中じゃないのに見ていただき本当にありがとうございました。あの時の貴重な体験が今の自分を作っていると思います。自由でおしゃれな学校の生徒として活動して行きたいです。

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