私は絵を描きたくて、セツモードセミナー入学の抽選に参加すると、ラッキーにも一発合格。
25歳、性に合わない会社をスッパリ止めて、アルバイトをしながら夜間部に通う生活か始まりました。
セツ先生の本の中で、いまでも憶えていることばふたつあります。
●「絵描きに身分はないんだよ」
私のような弱い人間の居場所が、そこにはありました。
居場所があるということは、こんなにもしあわせ、毎日が活き活きとしてきました。
自由に絵を描くという生きがいを与えてもらい、神様より先にセツ先生が救いをくださいました。
●「好きな人ができたら、モデルに誘いなさい」
私がセツに通っていた頃のデッサンのモデルは小池アミイゴさん。
女の子たちで集まっては、かっこいいねえ、ときゃあきゃあ騒いでいました。
セツ先生の教えに従うように誘えるわけもなく、みんな遠くから見ていました。
アミイゴさんのファンは多かったのです。
私の秘密をここで打ち明けます。
人物水彩の時間に、Aをいただいた作品はいまでも大切に大切にしまってあります。
黙殺された絵は、えーとえーと、帰り道にすべて曙橋駅のゴミ箱に捨ててしまいました。
もしかしたら、私とおなじようなひとがどこかにいるかもしれませんね。
群像デッサンでモデルをした時、セツ先生が「うーん、今日はモデルがいいね。」とおっしゃったのです。
うれしくて、セツ先生が黒板に貼った自分の姿のデッサンをじーっと見つめていました。
あの階段からセツ先生が降りてきて、「おい、お前」と耳を引っ張ってくださったら、セツ先生ありがとうございますって、私は大きな声で伝えたいです。
だって私は、あの日のことをいまでも思い出しては、くすっとしているんですから。
蓑島さん こんにちは。 星信郎です。
ゴミ箱の告白、それ、分かる分かる。 ワルなことを本音で語るイイ話で感心しました。
「絵かきに身分はないよ」セツ先生らしいお言葉てすね、本当ですね、深いですね〜。
セツ先生を描いたモノクロームの絵、色がないとかえってイメージが広がります。手前の黒い小さいテーブルはぐらぐらで不安定でしたね、あれは近所の岡田商会で只でもらったものです。
カッコいい男性モデルたくさんいましたね、それにしても小池アミイーゴ、そうでしたか?それはちっとも知らなかった。 小池君はいまもかっこいいよ。
星先生、コメントありがとうございます!
曙橋駅のゴミ箱、今となってはお恥ずかしいです!今も絵を描いています。もう、ゴミ箱には捨てませんが…