news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

アメリカ公衆衛生協会による健康住宅の基本原則

かなり古いように思われますが、公衆衛生の観点から住宅に要求される30の項目をまとめたもので、世界保健機関(WHO)をはじめ、世界の各国でこの原則が参考されており、健康住宅の基本原則とされています。

この原則では、生理学的要求、心理学的要求、感染予防、事故防止の4要素に関する30項目の基本原則を定め、肉体的、精神的、社会的健康のための必要最低限度としています。

生理学的要求
1.寒さに対する適切な温熱環境
2.暑さに対する適切な温熱環境
3.良質な空気質
4.適度な日光照明の導入
5.直射日光の導入
6.適度な人工照明の設置
7.騒音防止
8.運動や子どもの遊戯用の適切な空間

心理的要求
9.個人のプライバシーの確保
10.家族の団らんの確保
11.地域生活への参加が可能な場所
12.過度な疲労をもたらさない適切な住宅設備機器
13.住居や居住者を清潔に維持する設備機器
14.良好な景観への配慮
15.地域社会の一般的な社会基準との調和

感染予防
16.安全で衛生な給水
17.住居内での汚染に対する給水システムの保護
18.伝染病の感染予防に配慮した屋内便所
19.住居内における下水汚染に対する保護
20.住居近辺の不衛生状態の回避
21.伝染病を媒介する害虫の駆除
22.ミルクと食品の貯蔵設備
23.感染予防のため寝室の空間を十分に確保

事故防止
24.構造的な倒壊危険性の防止
25.火災や延焼防止
26.火災時の適切な避難設備
27.感電や電気火災の危険防止
28.ガス中毒の防止
29.転倒や負傷の防止
30.自動車交通のよる近隣への危害防止

(参考文献)
Winslow CEA, et al: Basic Principles of Healthful Housing. Am J Public
Health Nations Health 1938:28;351–372.

健康住宅に要求される必要最低限の項目として、ご参考いただければと思います。

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