鯉のぼり
碧い空の中、薫風を受けて泳ぐ鯉のぼり。黄河上流の龍門という滝を登った鯉が龍になるという「登竜門」の語源となった伝説が転じ、男子の立身出世を願う行事として、江戸時代から始まったといわれています。
埼玉県加須市で、今もなお手描き鯉のぼりをつくり続ける橋本弥喜智商店の橋本隆さん。躍動感あふれる鱗模様の筆遣い、絶妙なぼかし具合とにじみは、見る者を惹きつけます。顔料で描かれているため発色が鮮やかで、色褪せにくいのも特徴です。
空を泳ぐ姿もひと味違います。木綿生地のため透けることもなく、バタバタとはためく音をさせながら元気よく泳ぎます。「うちの鯉は、今にも龍になりそうでしょう?」と自信たっぷりの橋本さん。
その工程は、木綿生地を裁断・縫製の後、基本の黒い線を描き、黄や青の顔料を塗りこみ、ぼかしを入れていきます。ピンクや群青などの色も入れ、金色で文様を描き、最後に墨目を入れて完成です。手で描いては乾かすことを繰り返すため、完成までには1カ月以上かかるそうです。
絢爛豪華な鯉から水墨画のような鯉など、いろいろな鯉を生み出してきた橋本さん。神社仏閣で目にする龍や麒麟、日本画や洋画、生きた錦鯉、お客さんの率直な感想……さまざまなものをヒントに「究極の鯉のぼり」への挑戦は続きます。
「鯉のぼりを家族みんなで掲げて祝う、そんな幸せを届けたい」との願いを込めて、今日も筆を走らせています。
株式会社橋本弥喜智商店
〒347-0056 埼玉県加須市土手1丁目12番12号
TEL :0480-61-0371
H P :http://www.koinobori.co.jp/
「武州」創業以来、三代にわたる技を受け継ぐ伝統の鯉のぼり。
(黒鯉、赤鯉、緑鯉、五色吹き流し、引き上げ綱のセット)
税込価格:39,900円(1.5mベランダセット)〜