世田谷観音 朝市山手通りと環状七号線をつなぐ明薬通りのちょうど中間あたりにある「世田谷観音」。正式名称は「世田谷山観音寺」。昭和26年に建立されたお寺は、せたがや百景にも選ばれたという緑豊かな場所です。ここで毎月第二土曜日の朝6時から8時半まで開かれている朝市は、古き良き時代の風情をしみじみと感じさせてくれる、大好きなイチのひとつです。「近隣の方が気軽に集って楽しんでいただければ……と思い、2007年から朝市をはじめました」とご住職がおっしゃるように、今ではご近所さんを中心に多くの人が、開催を待ちわびて早朝から集まってこられます。

世田谷観音 朝市6時開場。はやる気持ちを抑えて、まずはお参りです。これは、神社仏閣でのイチにおける自分なりのルール。「楽しませていただきます」とご挨拶をしてから、境内をめぐります。世田谷観音にまつられている観音様の中には、悪いこと(二度と経験したくないこと、思い出したくないことなど)をよい夢に変えてくれるという、夢違(ゆめちがい)観音様がいらっしゃいます。もちろん私も、あれこれ思い浮かべながらしっかりお参りしておきました。

「東京でこんなに活気のある朝6時って……」と、思わずつぶやいてしまうほどの盛況ぶり。採れたて野菜満載の千葉の農家さんをはじめ、日本三大朝市のひとつといわれる千葉・勝浦の朝市からやってきた海産物店、他にも、お漬け物の専門店、トラックに総菜パンなどをいっぱい積んだ移動販売のパン屋など、20店以上が境内に軒を連ねます。

世田谷観音 朝市千葉の九十九里から、自家製のお魚総菜や干物などを持ってこられているご夫婦がいらっしゃいました。「ほら、食べてみて!」差し出されたのはイワシの丸干し。それも、その場で炭火で炙ったものです。九十九里といえばイワシの漁場としても有名なところ。遠慮なくいただいてみると、適度に脂が乗ってホクホクの味わいに「炊きたてごはんが欲しくなる!」つい口走ってしまいました。すると、周囲にいたお客さんからも「ほんとね~」と笑いが起こります。まるでどこかの田舎の朝市に来たような雰囲気。にぎやかさの中にもとてもゆるやかな空気が流れています。もちろん、イワシの丸干しは休日の朝定食用に購入決定です。

世田谷観音 朝市こういう何気ないやり取りも朝市の楽しみのひとつ。「お久しぶりです!」など、お店の方と気さくに声を掛け合う様子も多く見られました。東京の真ん中で、こんなのどかな朝市を体験できるのはとても貴重です。早くに売り切れてしまうお店もあるようなので、せっかくならぜひ早起きをして、スタート直後から訪れるのがお勧めです!


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  • 柴山ミカ

    プランナー、編集ライターとして広告や出版の現場で活動する傍ら、取材を通して出会った朝市に魅了され、あらゆるイチに出没する“イチめぐりすと”に。また、おいしいもん市(西荻窪)、おいしい週末ライオン市(浅草)など、食にまつわる市を企画運営するイチ・ディレクターとしても活動中。イチと同じくらい犬とキャンプとお酒と料理好き。

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    イチinfo

    世田谷観音 朝市

    開催予定
    毎月第二土曜日 6:00~8:30
    会場
    世田谷山観音寺(通称・世田谷観音)
    東京都世田谷区下馬4-9-4
    アクセス
    東急田園都市線、世田谷線・三軒茶屋駅下車。徒歩約15分
    URL
    http://www.setagayakannon.com

    ゆで落花生と栗

    乾燥させる前の掘りたてをさやごと塩ゆでした落花生は、そう日持ちがするものでもないので、収穫時期に産地でしか出合えない一品かもしれません。世田谷観音の朝市には、国内産落花生の主要生産地でもある千葉の農家さんがいらしていることもあって、早々と味わうことができました。ほんのり塩気があって不思議な食感は、ちょっと癖になる味わいなのです。そのままお酒のおつまみに、また炊きたてのごはんに混ぜ込んでもおいしい!合わせて買った栗は渋皮煮にしようかな。季節の味覚をいち早く楽しめるのもイチの醍醐味なのです。