20234

都筑晶絵さんのノート(3名さま)

大学在学中にフランスで伝統的な製本の技術を学んだ都筑晶絵さん。ヨーロッパの重厚でがっしりとした製本を学んで帰国した後、もう少し身近で親しみやすい製本はできないかと模索していたとき、とあるドイツ人の製本家と出会い、制作の手伝いをすることになったそう。東京でブックアーティストとして活動していた彼女がつくる本は、主に和紙が用いられ、ドイツ語と日本語のテキストが印字してある軽やかでモダンなものでした。その技術に魅了され、彼女が製本した本から着想を得て生まれたのが和綴を元にアレンジした手帖。つくりはじめて今年で20年になる、都筑さんのライフワークともいえる定番作品です。

糊をほとんど使わず、透明な釣り糸で綴じられているので、開きもよく見た目も軽やか。綴じ穴もデザインのひとつとしてサイズや位置を変え、楽しみながら制作されているものです。とくにオーダーの手帖は依頼主との会話のなかからうまれる唯一無二のもの。好きな紙の風合いや色を尋ねて素材を選び、綴じ込みたい紙を依頼主から送ってもらい、好みのサイズやカレンダーのデザインを決めてつくるため、サイズもデザインも一人一人異なります。お子さんが描いた絵が送られてくることも多く、その素朴でおおらかな線にかなわないなと思うこともあるそうです。

今回は、こちらの手帖と同じ製本でつくられたノートを3名の方にプレゼントします。制作で余った紙やコレクションした紙が綴じ込まれているため、書けないページもあるのが面白いところ。紙の風合いを感じながら見てさわって、本のようにページをめくりながら楽しんでみてください。

 

サイズ 約65mm×120mm 80ページ

※一冊ごとに風合いやサイズが少しずつ異なりますのでご了承ください。

都筑晶絵

1979年生まれ。2001年にフランスで手製本と出会い、大学卒業後、ブックアーティストの制作の手伝いをしながらより簡素でモダンな製本を知り、内容から考える本づくりを始める。2007年1月からスイスで再び製本を学び、2008年3月から東京で製本教室を始め、展覧会のための作品集や特装本のオーダーを受ける傍ら、ヒロイヨミ社山元伸子さんと ananas press として作品をづくりを始める。2011年より名古屋にアトリエを構え、各地でワークショップを行う。

■ワークショップ ippo plus(大阪)
4/14,15『ジグザグ製本』ws
4/16,17『グラシン紙のファイル』ws

HP: http://postaldia.com/
instagram

今月のプレセント