2月は狐の月です。2月最初の午の日「初午(はつうま)」は、京都の伏見・稲荷山に穀物の神様が降臨した日。この日を祝って、全国の稲荷神社では初午祭を催し、穀物の豊作をお祈りします。稲荷神のお使いは「狐」。だから、2月は狐の月となるのです。
狐はイヌ科の動物。都会の近くにも生息し、死んだフリをして餌の動物を誘き寄せるなどといわれています。ここから、狐が人を化かす伝説ができたのでしょうか。葉っぱを頭の上の乗せ、忍者のように印を結ぶ仕草が、子どものころの漫画によく登場しました。
ところで狐の好物は油揚。お稲荷さんに油揚を供える風習があります。そこから、油揚に酢飯を詰めた食べ物を「稲荷寿司」とも呼ぶようになりました。

また、お稲荷さんには狐の土人形が祀られているのを見かけますね。ツンとした立ち姿が、鉄砲の玉のようなので「鉄砲狐」とも呼ばれ、狛犬のように一対に並んでお稲荷さんを守っています。

東京・今戸では古くから土人形が作られ、鉄砲狐をはじめ、口入れという文字が書かれた絵馬を手にした「口入狐」、子どもを背負った「親子狐」などが作られてきました。


お稲荷さんの総本宮の伏見稲荷に次ぐ、愛知県豊川の豊川稲荷(豐川閣)の社前では、張子の狐の面が参拝土産でした。
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今でも狐の瓦煎餅にその面影を残して売られています。以前も書きましたが、わたしの故郷は静岡県浜松市。県庁の静岡市へ行くよりも愛知県の方が近く、豊川稲荷の門前の土産物屋さんに行くのが大好きでした。そこで売れ残った縁起物や、張子などを探しては、家に帰って自慢をしたものです。狐の瓦煎餅は、お稲荷さんの本家の伏見稲荷の門前にもありますね。可愛すぎて食べられないのは私だけでしょうか。
話は変わりますが、私の一番の好物は、赤飯に味噌汁をかけたもの。特に、味噌汁の具がさつまいもだったら、なお最高です。「ねこまんま」などと呼ばれ、この食べ方をすると結婚式の日に雨が降ると言われてきました。案の定、私の結婚式当日は朝から結構な雨。実家から式場まで、奥さんになる人と仲人さん、両親とともに、まるで狐の嫁入りのように傘をさして歩いて行きました。そもそも、「ねこまんまを食べると結婚式が雨になる」と言われるのは、ハレの日の食べ物に汁(雨)をかけることから。「狐の嫁入り」はまるで狐に化かされたようなお天気雨のことで、奥さんに化かされた? 私でもあります。