裃姿の猫
裃姿の猫

神妙に猫が裃を身に纏い正座をして、右手でお金を、左手でお客を招いています。大阪の住吉大社の末社・楠珺社(なんくんしゃ)で授けてくれる「商売繁盛、家内安全」のお守りです。毎月初めの辰の日に求めて神棚に祀り、48体揃うと「始終発達」という願いが叶ったとされ、神社に納めると大きな猫と交換してくれます。さらなる大きな繁栄を祈ってくれることになるのですね。

毎月初めの辰の日に求める猫=「初辰(はったつ)の猫」、略して「はったつさん」と呼ばれて、古くから大阪で親しまれてきました。昔から思っていますが、48体の猫と大きな猫は等価交換できているのでしょうか? てなことを言うと、不信心者、下衆の勘ぐりと叱られそうですね。ちなみにお金を招く右手を挙げた猫は偶数月、お客を招く左手を挙げた猫は奇数月に授けてくれます。楠珺社の祭神はお稲荷さん。狐がお使いですね。

そこで、春の雛祭に郷土玩具尽くしのお雛様を作ってみました。

春の雛祭に郷土玩具尽くしのお雛様を作ってみました

女雛と男雛はやはり住吉大社で授けてくれる夫婦和合の「裸雛」、

女雛と男雛はやはり住吉大社で授けてくれる「裸雛」

五人囃は「初辰の猫」、三人官女は高松と津の「奉公さん」と八代の「おきん女」、

犬筥は奈良・法華寺の守り犬、

犬筥は奈良・法華寺の守り犬、

狐は京都・伏見人形。いい雛祭になりますでしょうか。
せっかく作ったお雛様、旧暦の雛祭りまで飾らせてもらいます。