巳は干支のヘビのことです。ヘビ年を迎えたので、今回のタイトルは、蛇改め「巳」としました。あしの本数がヘビのよう少ない生き物や、ムカデやヤスデのように本数が多い生き物を不気味に感じるのは、4本あしに馴染んだ私たちが哺乳動物のせいでしょうか。でも、ヘビにもあしがあったのですよ。今でもあしの痕跡は残っているし、蛇の祖先はトカゲだったそうですから、もっともですね。私の実家は浜松で、隣のお寺に古いイチョウの大木があり、その枝伝いにヘビが屋根裏に移りすんでいました。夜中にズルッズルッと天井裏を這う不気味なあし音? がたまにしましたが、母は縁起がいいしネズミを退治してくれるからと、追い出すことをしませんでした。子どもの頃は、ヘビが脱皮した皮を財布に入れておくとお金が増えるとか、白いヘビは商売繁盛の神様と、よくいわれました。中国には「白蛇伝」という、恋愛物語もありましたね。

大阪では白いヘビの土人形がたくさん作られ、お寺や神社の授与品として授けられていました。さすが商人の街です。

白いヘビの土人形

そして、竹の産地の三重県の伊勢や神奈川県の大山では、竹製のクネクネと動くヘビが参拝土産で売られていました。これは、中国で作られてきた竹ヘビが伝来したのかも知れません。

大山の竹ヘビ
大山の竹ヘビ
伊勢の竹ヘビ
伊勢の竹ヘビ

 

今回は、当社で毎年年賀状の絵柄で制作している干支の郷土玩具工作をおまけに掲載します。面倒臭い作りですが、プリントアウトして楽しんでいただけば幸いです。

干支の郷土玩具工作

 

そしてチョッピリ自慢気に、毎年、当社でデザインして東京の民芸品屋さんで売られている、干支の手拭いも紹介します。各地で作られている「ヘビ」をお楽しみください。

干支の手拭い