news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

国際がん研究機関が有機塩素系化合物の発がん性分類変更

2012年に印刷工場の労働者で胆管がんが多発したことが明らかになったことはご存じと思います。この原因物質として、印刷機の洗浄剤に含まれる1,2-ジクロロプロパンとジクロロメタンがあげられていました。

厚生労働省は、その後の全国での調査の結果、胆管がんは、ジクロロメタンまたは1,2-ジクロロプロパンに長期間高濃度曝露することで発症すると医学的に推定できることや、印刷工場の労働者で発生した胆管がんは、1,2-ジクロロプロパンに長期間高濃度曝露したことが原因である可能性が極めて高いと報告しました。

IARCは、今年の7月に専門家会合を開催し、日本での調査結果を踏まえて、1,2-ジクロロプロパンをグループ1(ヒトに対して発がん性がある)、ジクロロメタンをグループ2Aに変更しました。

1,2-ジクロロプロパンこれまでグループ3(ヒトの発がん性を分類できない)、ジクロロメタンはこれまでグループ2B(ヒトに対して発がん性があるかもしれない)でしたから、いずれも格上げになりました。

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