news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

カナダ保​健省の住居用室内空気​質ガイドライン

カナダ保健省は、1987年に住居用の室内空気質ガイドラインを公表して以降、追加や改定を続けてきました。これらのガイドラインは、物質によっては長期と短期に分けられています。

長期:長期間(日、週、月など)の継続的あるいは断続的な曝露による健康影響を防止する
短期:塗料や接着剤などの家庭用品使用時など、高濃度で短時間の曝露による直接的な健康影響を防止する

以下にカナダ保健省がこれまで設定してきた住居用の室内空気質ガイドラインを紹介します。以下のサイトでも確認できます。
http://www.hc-sc.gc.ca/ewh-semt/air/in/res-in/index-eng.php

1)ホルムアルデヒド、2006年制定
長期(8時間):50 μg/m3(40 ppb)
短期(1時間):123 μg/m3(100 ppb)

2)カビ、2007年制定
*数値ではなく維持管理方法が推奨されています
・湿気を管理すること
・カビの増殖を防止するため水害を受けた箇所を念入りに修繕すること
・建築物内で成長している目視で確認できる、あるいは不顕性のカビを完全に除去すること

3)一酸化炭素、2010年制定
長期(24時間):11.5 mg/m3(10 ppm)
短期(1時間):28.6 mg/m3(25 ppm)

4)二酸化窒素、1987年制定
長期(24時間):100 μg/m3(0.05 ppm)
短期(1時間):480 μg/m3(0.25 ppm)

5)オゾン、2010年制定
長期(8時間):40 μg/m3(20 ppb)

6)微小粒子状物質PM2.5、2012年制定
・室内濃度を可能な限り低く維持すべき
・調理中はコンロ上部の換気扇を使用するなど、室内に煙が排出されないようにすること

7)トルエン、2011年制定
長期(24時間):2.3 mg/m3(0.6 ppm)
短期(8時間):15 mg/m3(4.0 ppm)

8)ベンゼン、2013年制定
・室内濃度を可能な限り低く維持すべき

9)ナフタレン、2013年制定
長期(24時間):10 μg/m3(1.9 ppb)
 

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