news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

ホルムアルデヒド曝露防止に関する米国環境保護庁の施行規則

2013年6月のトピックでは、先日発表されたホルムアルデヒド曝露防止に関する米国環境保護庁の施行規則を紹介します。

米国では、ハリケーンカトリーナで被災した住民の避難施設として、仮設住宅(主としてトレーラーハウス)を設置しましたが、内装材に使用された合板から放散されたホルムアルデヒドで健康被害を訴える事例が相次ぎました。この被害事例を受けて、先行してカリフォルニア州がホルムアルデヒド放散建材の規制を行いました。その後、米国環境保護庁も、同様の規制を検討し、「複合木材製品のホルムアルデヒド基準法(Formaldehyde Standards for Composite Wood Products Act)が2010年に米国議会 で採択されました。この法律の施行規則は、2013年までに制定される予定でしたが、その施行規則が2013年5月29日に米国環境保護庁より提案されました。以下に提案された2つの施行規則とその規定項目を記します。

施行規則1:複合木材製品のホルムアルデヒド基準法の施行規則
・同法に準じた複合木材製品からのホルムアルデヒド放散基準の設定を規定
・本規則の対象は、米国で販売・供給・製造・輸入される硬質合板(Hardwood plywood)、中質繊維板(medium-density fiberboard)、パーティクルボード(particleboard)、これらの材料を含む商品(finished goods containing these products)とし、木材加工工程の残留物 や、熱や湿気で樹脂が劣化するにつれ放散されるものも対象とすることを規定
・試験条件と製品ラベルを規定

施行規則2:第三者認定機関による認証の枠組み
第三者認証機関、その機関の認定を行う認定機関の資格要件や責任も定め、製品が国内・国外のいずれで生産されても、放散基準の遵守を確保することを規定。第三者認証機関の業務は以下の通り。
・複合木材製品製造業者の定期監査
・ホルムアルデヒド放散試験の実施と検証
・複合木材製品製造業者の品質保証、品質管理方法、試験方法が本規則に準じていることを保証する

詳細な施行規則の提案内容については、まだ公表されておりませんが、速報としてお伝えします。

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