news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

欧州連合におけるフタル酸エステル類規制の動向

フタル酸エステル類は、主に塩化ビニル樹脂(ポリ塩化ビニル)の可塑剤として使用されています。可塑剤とは、樹脂を柔らかくする添加物です。他にも、溶剤、洗剤、繊維の潤滑剤、香料の保留剤、人工皮革など多くの製品に使用されています。

昨年2月のトピックで、デンマークが4つのフタル酸エステル類(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)、フタル酸ブチルベンジル(BzBP)、フタル酸ジ-n-ブチル(DBP)、フタル酸ジ-イソブチル(DIBP))を含む、室内で使用される製品の輸入と使用を禁止する規制を決定したが、最終的にデンマークはこの規制を撤回したことをお伝えしました。

ところがその後、欧州連合(EU)では、電子・電気機器における特定有害物質の使用制限に関するEU指令であるRoHS指令において、2015年6月よりフタル酸エステル類の4物質(DEHP、BBP、DBP、DIBP)が規制対象として正式に追加されました。

EU加盟国は、2016年12月31日までに上記指令に対応する国内法の整備が求められることになりました。各物質の最大許容濃度は、DEHPが0.1wt%、BBPが0.1wt%、DBPが0.1wt%、DIBPが0.1wt%となっており、デンマークが実施しようとした規制内容と同じです

電気・電子機器は2019年7月22日以降上市分から、医療機器および監視制御機器は2021年7月22日以降の上市分から適用が開始されます。

 

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