news letter 「住まいと健康」を考える 東賢一

米国環境保護庁による3つの化学物質の使用禁止または使用規制の検討

米国環境保護庁によると、特定の用途に対して、これらの物質の使用禁止または使用規制を定めた規則の作成を計画しているとのことです。

トリクロロエチレンに関しては、工業用の脱脂洗浄剤、ドライクリーニング用の溶剤、特定の消費者製品が新規則の適用対象となっています。

n-メチルピロリドンとジクロロメタンに関しては、塗料と塗料除去剤(リムーバー)が新規則の適用対象となっています。

n-メチルピロリドンについては、今年の3月23日にリスク評価結果を公表し、妊婦や出産適齢期の女性が塗料や塗料除去剤を使用した際に高濃度のn-メチルピロリドンに曝露すると、生殖発生毒性に関するリスクが生じると評価しています。また、ジクロロメタンはn-メチルピロリドンの代替品であるため、ジクロロメタンも同様に規制しようとしています。

トリクロロエチレンは、昨年の6月25日にリスク評価結果を公表し、スプレー式の脱脂剤や定着剤を使用した消費者、小規模店舗内で脱脂洗浄剤やドライクリーニングのしみ抜き剤としてトリクロロエチレン使用した店舗の従業員に対して健康リスクが生じると評価しています。

なお、トリクロロエチレンは、昨年5月のトピックで紹介しましたが、世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)はトリクロロエチレンを発がん物質(グループ1:ヒトに対して発がん性がある)に分類しています。

米国環境保護庁は、これらの3つの物質の使用禁止または使用規制を行った際に生じる影響について、4月10日までに関連業界、自治体、NOP法人等に意見を求めています。

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