皐月 2023

今回は、金沢市石引町の商店街の中程にある元薬局をリニューアルした山岸薬局ビルヂングの中で撮影を行い、公開展示をしました。

改装工事中から完成間近まで、このビルヂングへ下見で足を何度も運んでいるうちに、商業空間でいける役割のようなものに気付き、思いもよらない内なる出会いに導かれて制作の第一歩を踏み出すことができました。

「テーブルの上の食器類は商店街のバス停前に在る店舗の商品をお借りしました。お客様からお預かりした品物を販売しているとお聞きして、「小さな縁が大きな輪に拡がる源(もと)になるのだと思うと花のつぼみが開花するまでの過程に似て夢がふくらみます」とご来場者向けに明記して、集めた旬の花々を決まりごとや技巧から離れてしまうほどどんななかに在っても、花は花と雑然と並べた食器類に仲間入り、サクサクと花瓶の口元を気遣いながらも挿しただけの花です。

次回6月の花も迷路のような山岸薬局ビルヂング内でいけた花をお届けする予定です。

花:ななかまど もみじ つゆ草 都忘れ カーネーション においひば 紅苺 詰草 スターチス 忍冬(すいかづら) 丁子草
器:鯉江良二 吉川千香子 吉川正道
籠:榎本千冬
場所:山岸薬局ビルヂング