如月 2023

晩秋から初冬の晴れた日に近くの公園を歩きながら拾い集めた球果や小さな果実類。いつの間にか伴に新しい年を迎えこの時季を共有しています。中には何年も年越しをしている木の実もあり、古いも新しいも大きい、小さいも分別なく繋いでいるとしゃがんで地面に目を凝らしていた時のことが思い出されます。

熊に教えてあげたい程炉端に集まるドングリの仲間、虫がうようよしているように見えたヒマラヤ杉の穂というのかぼっくりというのか、つるつるした木肌の幹をとり囲むように散らばる黒い粒粒はあとでサルスベリの実と識る。空を仰げば誰が名付けたか、りんりんと風に揺れるスズカケの実、河川敷に戻ると野鳥が食べ残したか野バラの実、等等。

木の実各々の言葉とも云える色と形に見とれながら繋いでいると目の前の時間が何処かに遠のいてしまいます。殻の中にはエネルギーが充満していて野鳥には明日への糧となり、雪で閉ざされがちな冬期に在って、花にかわる木の実類に私が繋がれていると思うとなぜか愉快になってきます。

木の実類:ツバキ、ムベ、ヒマラヤぼっくり、野バラ、ハクモクレン、ヌバタマ、ハトムギ、スズカケ、ドングリ、ホオヅキ、トチ、カラタチ、ムラサキイモ、木イチゴ