師走 2021

アスファルトの路面を彩っていた木の葉も何処かに消え去ってしまい、寒くて冷たい初冬がやってまいりました。
どころが自然界は偉大なもので巷で見かける常緑樹や針葉樹のみどりが一段と輝きを増してきているように思います。
南京ハゼの木のあるM婦人の家はいまだに空家のままで、何処を歩いても生えている木や草を健康かどうか眺めて安堵を得たり、在ったものが無くなっていると一喜一憂するなど、M夫人の家の前を通るたびについ目配せをしてしまいます。その生け垣にはすぎ科の杉、ひのき科の檜葉(ヒバ)など混植密生しています。

ころ合いをみて町内の方か遠方からいらしたお身内の方が伸びた枝を切っておられるようなので痛いと知りながら私も手を伸ばしました。
それはそれは痛さを忘れさせるような芳香が体内に染みわたり、ロコロコヒガシの小さな部屋に早くこの香りを届けたいと想いをふくらませました。

花材:杉 たこ糸 野石
展示場所:金沢市東山 ロコロコヒガシ204