長月 2021

いけてみたい花のイメージをふくらませていてもいけたい花が気候やその他の事情で入手できないことがあります。いつも柔軟な気持ちを備えていないと目の前でいけて下さいと言っている花の言葉を聞き逃してしまうことがあります。このことは何度も経験を重ねて花から教わったものだと云えるようになりました。
用事の途中で友人の家に立ち寄ると庭の片隅に置かれた水がめの中で苔木がゆったりとくつろいでいました。場所を移してみることにしました。美術大学の学生だった方の制作らしき一見木のような土のような物体と古木。全く異なった空間でも古木は古木。その風格に恐れ入り谷の鬼子母神の結果となりました。

花材:梅の古木 アブラドウダン スゲラン ヒオウギ トラノオ ケイトウ
陶:村田優大