文月 2019

細いのに「ふとい」という名前がおかしいと笑えたころ。世間で云うところのお箸が転がってもおかしい、と言われた年齢も遠に過ぎた。
今よりも行動範囲が広がったころ田んぼいっぱいビュンビュンと生えている「ふとい」をみて大地に在ってはバネのように強く見えた。
花をいけていて気付かされたことの一つに決して意のままにならないということ、何とか折り合いをつけてよしよしと思ったとしても、それは満足感と違うということも。
花をいけたあとなんだかさっきまでとは違う、という気持ちになれたかどうかが次へと連鎖する。

花材:ふとい、紫陽花
器:鉢(作りびとしらず)、インドネシアの網籠

 
ふとい、紫陽花

ふとい、紫陽花