水無月 2019

友人ふじ野ちゃんのお父様は画家だった。最晩年は奥様が先に、何年も経たないうちに画伯も同じ施設に入られ奥様は先に旅立たれた。独りになられた画伯をいとおしむ友人は画室に残された画を施設のひと部屋で画伯の個展を開催したり、それらの画を施設やお世話になったからと病院やご近所の方にもお贈りしていた。
施設でお会いした画伯はまさに好々爺、全てを達観しているご様子だった。去年2月95歳で大往生だったと友人から届いたのは土瓶でしょうか?急須でしょうか?オブジェでしょうか?いいえ注器です。甘酒か濁酒がいいでしょうと画伯の声が聞こえてくる。
誰かを偲んでいける花は選ばれた花もにっこり。画伯への手向けの花としてその器を使わせていただきます。

花材:立ち枯れのあじさい 花屋さんの組んだお供え花
器:画伯の遺品

 
立ち枯れのあじさい 花屋さんの組んだお供え花

立ち枯れのあじさい 花屋さんの組んだお供え花

立ち枯れのあじさい 花屋さんの組んだお供え花

立ち枯れのあじさい 花屋さんの組んだお供え花