師走 2018

我家の小さな小さな猫の額ほどの本当に小さな庭の片隅にこれもまた小さな棕櫚(しゅろ)の木が在る。その葉をいつかいけばなにしてみたいと思いつつも容易に手出しが許されない力を秘めていて鋏が開こうとしなかった。
ところが今年の天候異変が功を奏したものかたっぷりと水分を蓄えた葉から切って下さいと声が届く。
草木が装いをぬぎ捨ててゆくこの季節、鮮やかな緑に目が離せなくなってしまい、その声に鋏が開く。
ちなみに棕櫚の葉はゴワゴワしているというのに木の表皮の繊維は柔らかく市販にある帚(ほうき)としての形状も美しく天井や壁の塵払いに重宝するひとつでしょう。

花材:棕櫚、山茶花、雀うり 
器:掛花入れ(作者不詳)

花材:棕櫚 山茶花 雀うり

花材:棕櫚 山茶花 雀うり

花材:棕櫚 山茶花 雀うり