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以前、資料として買った1冊の本がアジェの写真集でした。
パリの人影のない古びた建物が淡々と写し出されているかと思えば、路上で楽しげに歌う人、笑顔の子供たちなど、ユーモアとあたたかみのある写真が何枚もありました。
エッフェル塔や地下鉄の完成、パリ万博の開催など華やかな時代とは対照的に取り壊されてゆく19世紀の古きパリの風景を記録者として撮り続けたことに共感する一方で、なぜそこまで記録者としての自分にこだわったのか。
アジェが生きた時間を少しだけ覗いてみようと思いました。
HBギャラリー(東京)での個展の会場風景です。赤池佳江子