夏至・菖蒲華
設計打ち合わせ中に「タイルを使う場所がありますか?」と質問がありました。
建築主は美大を卒業されて、アンティークショップでの勤務経験もある方。素材の見極めが出来、特にタイルへの関心が高く、積極的にサンプルを集めて候補を選ばれていました。
その中から、手洗いには石を薄く切り出した亀甲形のタイルを、キッチンには鮮やかな青緑色のタイルを、そして浴室には爽やかな印象のモザイクタイルを採用しました。
現代の住宅には、均一な仕上がりの工業製品が多く使われていますが、今回、採用したタイルには色や形に「揺らぎ」があり、人の手の跡や自然の造形を感じさせます。
木の家には揺らぎがある仕上げが似合い、空間を豊かにしてくれます。
鷹の台の家(東京都小平市)
設計:木下治仁建築設計事務所
施工:大丸建設
撮影:米谷 享