夏の快適さを考える

梅雨が明け、今年も暑い季節となりました。

私の家兼仕事場は千葉県船橋市にあります。敷地は目の前に梨畑がある高台で、近くには雑木林も点在しています。そんな場所柄なので都心のように融けるような暑さではありません。熱帯夜の日もたまにありますが、夜には涼しい風が家の中を通ります。

エアコンはすぐに家の中を冷やし、熱中症から命を守ってくれますが、多少暑くても、多少汗をかいても、風の流れで涼しく感じてホッとする環境が好きなので、自分が快適と思えるすまいに近づけようと試行錯誤しています。

ゴーヤのカーテン

今年のゴーヤのカーテン。毎年5月に種をまいて1階から2階のベランダまですっぽり囲います。

人間が涼しく感じる要素のひとつに「輻射熱(放射熱)」があります。夏の暑い時でもトンネルの中に入るとひんやりと感じますが、それはトンネルの壁が外気温より低い温度に保たれていて、その壁に近づくと身体から熱が奪われるからです。同じように家の中の壁や床を外気温よりも低い温度に保てれば涼しく感じることができるはずです。

まず家の中に冷たさ(冷熱)を貯めておくためには家の熱容量を増やす必要があります。木造で2階リビングの我が家では2階の床下に水の袋(アクアレイヤー)を入れて熱容量を大きくし、夜間の冷えた空気を家の中に通すことで冷熱を貯めるようにしています。猛暑日などで日中エアコンを使用する場合も冷熱をこの床下に貯めることができます。

さらに温熱を家の中に入れないことも重要なので、ゴーヤのカーテン、すだれ、よしず、アルミ蒸着シートを窓の外に掛ける・・・と昔ながらの方式で、家の外側に日陰をつくりなるべく温熱を家の中に取り込まないようにしています。

家の断熱性能が高いことと風の通る平面や断面の家であることは大前提です。我慢にならない程度に夏の暑さも楽しんで毎日をすごしたいと思っています。