施工:㈱井藤工務店
姫路の家は姫路城の北西に位置しています。お城の堀に注ぐ大野川を上流に進んだところ、敷地はこの川に沿った道路に面しています。河川改修で道路がかさ上げされ、周辺も含めた敷地レベルは道路と1mほどの高低差が生じています。ハザードマップを参考に建物本体は道路レベルに合わせ、半分は深基礎としています。
外構、植栽は姫路の造園家ソイル研究所の西山さんにお願いしました。建物際の石は敷地をかさ上げする際に使ったズリから選別されたもの。手間のかかる作業ですが、西山さんらしいデザイン手法です。
段差処理は自然法面とし、U字溝を横に置いたステップをつくってくれました。
手前は寝室前のテラス。物干しも兼ねています。テラス下にできた部分は外飼いのワンちゃんのスペース。しっかりと侵入者を守ってくれそうです。桧製の物干し竿は井藤工務店、善規さんの自信作。建物全体にしっくり馴染みます。
玄関アプローチは既存の土間を利用してごくシンプルな作りです。玄関建具は木製引き戸。引違い建具の外側をFIXとし、可動部は内側に引き込まれ、メンテナンスしやすい納まりとしています。
西山さんの植栽計画は建物から離したり近づけたり変化があります。樹種も含め、室内から眺めた際の奥行き感を念頭にデザインされているように感じます。
造園家は何年も先の姿を浮かべて物事を考えます。時間とともに建物と環境がだんだんと整っていくことを楽しみにしています。