かやぶき「旧庄屋毛利家住宅」を訪ねて

愛媛県宇和島市三間町是能(これよし)

旧庄屋毛利家住宅

旧庄屋毛利家住宅

この冬、屋根の修復などに取り組む「旧庄屋毛利家を守る会」のメンバー10名と、カヤ葺き職人の川上義範棟梁(73歳)含む7人、地元ボランティアの多くの人達の共働作業によって、主屋北面・東面の茅葺き屋根の部分修理が1月20日に着工し、2月4日に完了した。毛利家当主の毛利珪子さん(84歳)は「雨漏りがひどうなって、皆さんのお陰で助けて頂いて本当に感謝してます」と作業を手伝いながら笑顔で語られた。

主屋及び長屋・門 二棟 市指定有形文化財(建造物)1994年(平成6年)指定。
主屋は1753年(宝暦3年)建築。茅葺き屋根と鍵屋・角屋座敷が特徴。
長屋・門は1851年(嘉永4年)建築。打込はぎの石垣・門・厩・牛小屋・部屋。

ひな段状に、背に山が迫り、正面には池と田畑が広がる敷地選定にあたり、中国の家相学「営造宅経」に合致している。

正面の長屋門の石垣、腰板、白漆喰と屋根の水平線が、こんもりとした山や樹の形と対照的で飽きがこない。建物は周囲の山に比べ、高すぎも低すぎもせず、心憎い程見事に調和している。
この家を計画した人の知恵と、造り上げた技術は現代以上の設計力と言えよう。