ブナの原生林

高島トレイル(滋賀県)

高島トレイル

樹高30-40メートル。空を覆うように大きく枝を広げ、木漏れ日がフカフカの林床を明るく照らします。高島トレイルとは、滋賀・福井・京都の県境、中央分水嶺(日本海側と太平洋側を分かつ分水界)に沿い、全長80キロのトレイル(山の道)です。かつて近江商人が荷物の運搬など暮らしの中で使っていた道は、産業構造の変化とともに見捨てられ、荒廃していましたが、貴重な自然林とともに見直され、自然との共存に注意を払いながら整備されています。

高島トレイル

水を好むカツラ。沢筋ではこのような巨樹が次々と訪れる人を迎えてくれます。

豊かでまた時に圧倒的でもある日本の自然環境が、共生を基本とする日本人の自然感を育んできたきたことを実感します。自然とのつながりがなくなり、だんだんと希薄になっているのかもしれませんが、住まいのあり方にもつながっていく大切なテーマだと思います。