公園の「あずまや」デザイン

大阪府服部緑地公園

大阪府服部緑地公園

外出自粛が続く中、誰もいない早朝をねらって徒歩圏内の公園に1時間ほどの散歩。前から気になっていたコンクリート造の古いあずまやでモノクロ写真に挑戦してみました。

大阪府服部緑地公園

曲面をもった小判型で脚元の細くなった6本の柱が薄いフラットな屋根を支えています。コルビジェを想起させるような近代建築デザイン。屋根には雑草も生え、ほとんど手入れもされたようすもなく、40~50年は経っていると思われます。

大阪府服部緑地公園

テーブルやベンチもコンクリート造で備えてあり、座面はテラゾー研ぎ出し。座るととても冷たい。すべて固定された家具は使い方を強要し、使い手にやさしい建築とは対極ですが、なぜかとても魅力的です。デザインに確信をもって造られ、現実に何十年も当初のままで存在していることに驚きます。

大阪府服部緑地公園

同じ公園内にあるこちらも古いコンクリート造のあずまやですが、こちらは先ほどのような「とんがった」デザインは感じません。

大阪府服部緑地公園

大きくくりぬかれた厚い壁が3本の梁を支え、柱のない広々としたスペースを確保しています。壁と屋根でつくられたフレームが、周りの景色を美しく切り取り、ピクチャーウィンドーの役目をしています。中央にはおむすび型の低いテーブル。それぞれにしっかりとデザインされているのにあらためて気が付きます。残念ながら新しい施設にはこれほどのデザインを感じるものはありません。