内子町伝建地区 金光教内子教会教職舎修理保存事業

愛媛県内子町坂町

金光教内子教会

金光教内子教会は保存地区の坂町に位置し、六日市商店街にも近く傾斜のある坂道に接している。大正12年(1923)の建築で、木造2階建、日本瓦葺、屋根小屋組はキングポスト構造を採用している。坂道に最も近い正面右手の金光教信徒会館は昭和28年(1953)の建築で、現在は信徒のみならず、ボーイスカウトや少年少女の育成の場に使用されている。

旧向拝は当初の形式を残し、礎石、礎盤の上に柱を立て、水引虹梁で柱間を繋ぎ、柱両端と両正面に絵様付木鼻を組む。柱頭部に皿斗を載せ、大斗、出三斗を組み、実肘木を載せ、妻虹梁及び菖蒲桁を受ける。虹梁間の中備には波に鯛を表現した彫刻を入れる。
妻飾は板壁とし、棟木を受ける。唐破風頭部に鳳凰を表現した兎毛通(うのけどおし)を吊る。大棟納めに波に飛龍を表現した鬼瓦を載せる。また大広前の南北面の外部柱に、バットレスを2箇所づつ入れ補強している。また大屋根、中屋根鬼瓦は経の巻瓦である。

今回は部分修理で屋根古瓦(鬼、棟、箕甲等の役物)の葺き直しである。
坂町にある宗教建築の施設棟として、地区の歴史を知る上で貴重な建築物である。