日本民芸館

日本民芸館

東京は駒場にあります「日本民芸館」を訪れました。
昭和初期、柳宗悦らの提唱で始まった民芸運動。
-民衆の日々の暮らしの中で「用」を目的として生まれ、育まれてきた品々の中にこそ必然的に美が宿るー(説明文より)
多くの賛同者を得て、昭和11年に民芸運動の本拠地として開設されたとあります。
全体的には漆喰を基調とした和風の建物ですが、大谷石を敷き込んだ広い玄関ホールや、踊り場から左右に分かれる正面の階段など、洋風の要素が盛り込まれています。

日本民芸館

月に数日、柳宗悦が実際に住んでいた西館も拝観することができます。
こちらは落ち着いた純和風の建物ですが、執筆活動のための書斎や声楽家の妻のための音楽室など、当時の高尚な生活を伺うことができます。

アノニマスデザインという言葉があります。
匿名性とか無名性といった意味で、誰かのデザインということではなく、長い年月の中で自然に残っていったものや、長く使われていく間に収れんされていったものなどを指します。
機能性の美しさであったり、風土の中での特異性であったりします。
誰がつくったのかは判りませんが、間違いなくそこには作り手の、そして使い手の想いが存在しています。
6月23日から「生活美のかたち」展が特別展として同館で開かれます。
少し先ですが楽しみがひとつできました。