非常にはっきりとわからない

千葉市美術館で開催されたアートチーム「目」の「非常にはっきりとわからない」を観てきました。(展覧会が終わりネタバレの心配がないので書きます)
いや、「体感してきた」のほうが正しいかも。

非常にはっきりとわからない

美術館が入っている建物は銀行だった建物を1階に一部残して上階に区役所、美術館の施設を建てたもの。
いつもは8階に美術館の受付があるのですが、今回は1階に受付があり、いつもはがらんとしている1階ホールから展示がありました。(ここだけは撮影可)

非常にはっきりとわからない

1階を見終わった後、いつものように8階に向かうと。。。
いやはや。。。翻弄されました。。。
翻弄① 7、8階にあるロッカーに持ち物とコートを入れようとしたら、養生のビニールが掛っていてどちらも使えない状態に。確かに1階にロッカーが無造作にあったのですが、まさか通常のロッカーが使えないとは。。。もう一度1階に戻ってロッカーに荷物を入れました。

翻弄② 気を取り直して再度8階へ。
展示というよりもまさに「改装工事中」という感じの展示室。何とも言えない気持ちで7階に行くと。。。全く同じ展示が。。。ちょっと自分がどうにかしてしまったのではないかと思い(笑)エレベータ脇にある階数表示を見ると、ご丁寧に養生シートで隠されていました。

人というものはこんな時、何が何でも自分の居場所を知りたくなるものなのですね。たしかミュージアムショップは7階にあり通常営業しているはず。。。と思い出し、養生のビニールの奥にミュージアムショップを見つけ、無事目印を見つけることができました。

その後、7階と8階に違いはないのか?と、何度も行ったり来たりをしましたが、結局、違いはあったのかなかったのか、わかりませんでした。
途中、展示を移動させて掃除するというパフォーマンスもあったり。これは7、8階で同時に行われていたかどうかはわかりません。

ミュージアムショップでいろいろ見ていたら高齢の男性がスタッフに「まだ改装工事中なの?常設展はやっていないの?」と尋ねていました。

この展覧会のパンフレットには「本展では、展示物に加え、鑑賞者の動きや気づきを含む千葉市美術館の施設全体の状況をインスタレーション作品として展開し、突き放された現実としての美術館に人々を誘います。」と書いてありました。

非常にはっきりとわからない

これも展示(笑)

まさにその通り。
展示物だけじゃなくて鑑賞者「AUDIENCE」までもがインスタレーションの一部になっているじゃありませんか!
(受付で「AUDIENCE」と書かれた黄色いシールを渡され、体に貼るように言われます)
わたしの不可解な(笑)行動も他の鑑賞者から見たらインスタレーションの一部になっていたんでしょうか。

「当たり前なものとしてどこか見過ごされているような現実世界を、新たな感覚で捉え直させる機会となるでしょう。」
(パンフレットより)

「改装工事中」という当たり前の空間(展示なのですが)が、当たり前の空間には見えず、わからないものをわかろうとして悪戦苦闘する、不思議でおもしろい時間と空間を味わえました。

非常にはっきりとわからない

外部のフェンスにあったこの掲示はホンモノなのか?