谷村美術館

谷村美術館

「地域主義工務店の会」金沢研修の帰り道、糸魚川駅で途中下車し、念願だった谷村美術館まで足を伸ばしてきました。
設計は日本を代表する建築家のひとり「村野藤吾」さんで、美術館の開館は1983年。
翌1984年、村野さんは93歳で逝去されています。




受付を済ませ、シルクロードの遺跡をイメージしたという異形の美術館までは、シンプルな木造の渡り廊下。
地面と壁面の境界線は、カーブを描くよう施工されることによって消失し、地面がそのまま立ち上がっているような印象です。
訪れたのが良く晴れた日の夕方だったため、夕日が列柱の影を映し出し、なんとも不思議な雰囲気を演出してくれました。




美術館での鑑賞を終え、見事な日本庭園を眺められる休憩所では、計画途中につくられた数種類のスタディ模型や設計図面、そして建築家の直筆の指示が描き込まれた詳細スケッチなどがあります。
窓の存在を消しながら、自然光を巧みに取り込もうとした建築家の意欲が読み取れます。
90歳を越えて尚、設計活動に旺盛だった当時の写真が壁に飾られていました。