建築家 浦辺鎮太郎の仕事

岡山県倉敷アイビースクエア アイビー学館

建築家 浦辺鎮太郎の仕事

浦辺事務所の柱型に掲げてあったKM(クラシキモジュール)の解説パネルが展示されています。浦辺設計ではこの独自の寸法体系が存在し、さまざまな寸法を決めるときにそれを使っていました。柱スパンをはじめ、階高、天井高さ。内部では巾木、カウンター高さなど。基本寸法は960としてその倍数や約数。何度も使っているうちに自然に呼称が生まれていました。960・1920・2880・3840・4800・5760→クンロク・イチクニ・ニッパッパー・サンバシ・ヨンパー・ゴナロクと続きます。ちなみに960×1920は京畳の寸法です。

建築家 浦辺鎮太郎の仕事

解説パネルの背景に描かれた断面は大阪難波に建てられた日本工芸館(1960年)。KMによって厳密にプロポーションが決められたと聞きます。我々はとても使いこなせるものではありませんでしたが、寸法に対するこだわりは強く感じていました。

建築家 浦辺鎮太郎の仕事

その後の建物にも続き、倉敷国際ホテルで完成されたとされる特徴的な壁庇の原点がこの建築のようです。残念なことに現存しません。