皆子山

滋賀・京都県境

皆子山

皆子山は、京都府最高峰とはいえ標高1,000mに満たない山ですが、冬には1mほどの積雪があり、その植生も変化に富み、一年を通じてすてきな風景を見せてくれる山です。

皆子山

広くなだらかな稜線に一面に広がっているのはイワヒメワラビ。この特徴的な景色を見ると、さぞ繁殖力が旺盛な植物であるように思えますが、本来は他の植物との競争にはとても弱いそうです。かつてこの地はササが広がっていたそうですが、近年、鹿による食害が顕著で、ササ類は食べつくされ、その後に、鹿の嫌いなイワヒメワラビが勢力を拡大、一面に広がっていったようです。

皆子山

何気なく美しいと感じる風景も、実は微妙なバランスで成り立ち、なおかつ何かの要因でその都度、変化しています。そう考えると、我々が日常、過ごしているあまり好ましくない市街地の風景も、さまざまな要素のパワーバランスの総体結果であるのだろうと考えます。良い方向になるために何ができるか、諦めずにずっと持ち続けたいテーマです。